「月の満ち欠け」
仕事も家庭も順調だった小山内(大泉洋)は、愛する妻梢(柴咲コウ)と娘瑠璃(菊池日菜子)を事故で同時に失い、郷里八戸に戻る。そこに哲彦と名乗る男(目黒蓮)が訪ねてきて、事故の日に瑠璃が自分に会いに来ようとしていたこと、彼女はかつて愛した〝瑠璃〟(有村架純)という女性の生まれ変わりではないかと告げる。 直木賞受賞の佐藤正午の同名小説を映画化。1980年当時の高田馬場を舞台にした哲彦と〝瑠璃〟のピュアな青春がほほえましく、昭和世代の心をつかむのは必至だろう。生まれ変わりを信じがたい人たちと共鳴しつつも、小山内の心の内の小さな変化が無理のない感情の流れとなって作品の柱になっている。時代や空間を超えた...