Lee Jung-eun
1970年1月22日 生まれ
「茲山魚譜 チャサンオボ」(2021年)「パラサイト 半地下の家族」 (2019年)「哭声/コクソン」 (2017年)
「イ・ジョンウン」記事件数
韓国でも女性たちが、自らの置かれた状況に異を唱えている。シン・スウォン監督のこの作品も、時をさかのぼって女性たちの思いをたどっているが、押しつけがましさはみじんもない。つつましく柔らかく、とぼけた笑いも交えながら、しかし芯には強い意志が込められている。 中年の女性映画監督ジワン(イ・ジョンウン)が、1960年代に先達の女性監督ジェウォンが撮った映画の、失われた場面を捜すという物語。ミステリー調の筋立てもさることながら、ジワンが抱えるモヤモヤが、この映画のみどころだ。 ジワンは公開中の3作目の監督作が不入りで、新しいアイデアも不発。新作を撮るあてがない。夫と大学生の息子と3人暮らしだが、家事...
2023.3.10
アニメーション制作スタジオ・MAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品「アリスとテレスのまぼろし工場」(毎日新聞社など製作委員会)が公開されている。 突然起きた製鉄所の爆発により外との接続が遮断され、時までもが止まってしまった町・見伏が舞台の本作。いつか元に戻ったときのために「変わらないこと」を強要される中で、退屈な毎日を過ごす14歳の菊入正宗と佐上睦実、そして野生の狼(おおかみ)のような謎の少女・五実が恋をして、未来へともがく姿を描いている。 映画を見る前に読んだ、脚本・監督を務めた岡田麿里氏が手掛けた原作小説は、少年少女たちの葛藤を通して「生きること」について...
きどみ
PRワーナーブラザース映画、MAPPA
2023.9.22
監督、プロデューサー、脚本は、「虹」で第24回東京国際映画祭アジアの風部門にて最優秀アジア映画賞を受賞したシン・スウォン。本作も第34回東京国際映画祭にて上映され話題を集めた。本作を撮るきっかけとなったのは、韓国初の女性映画監督パク・ナモクと、2人目のホン・ウノンについてのテレビドキュメンタリーを撮り、彼女たちと親交のあった女性編集者と出会ったことだという。悩みながらも映画を撮ることを諦めない主人公ジワンに、監督自身が投影されている。ジワンを演じるのは「パラサイト 半地下の家族」(2019年)の家政婦役をはじめ、「椿の花咲く頃」など、数々のドラマで幅広い役柄を演じ、本作が単独初主演となるイ・ジ...