ひらの けいいちろう
1975年6月21日 生まれ
作家原作:「マチネの終わりに」(文春文庫)、「ある男」(文春文庫)、「本心」(文春文庫 / コルク)
石井裕也監督の最新作「本心」は、平野啓一郎による同名小説を映画化したものだ。テクノロジーが急速に進化し仮想空間でのやりとりが当たり前となった少し先の日本を舞台に、時代が変わっても永遠に変わることのない〝人間の心の本質〟をめぐる物語を描いている。本作の映画化は、これが石井監督との9度目のタッグとなる池松壮亮の「これを映画化すべきだ」という提案からすべてがはじまったらしい。 コロナ禍の2020年、時代の転換期にすべてがはじまった 唯一の家族である母(田中裕子)を失った主人公・石川朔也(池松)は、生前に彼女が〝自由死〟を選択していたと聞かされる。彼はすさまじい勢いで変化していく世界に...
折田侑駿/Yushun Orita
2024.11.11
「大事な話があるの」そう言い残して急逝した母が、実は〝自由死〟を選んでいた。唯一の家族を失くした朔也(池松壮亮)は、幼なじみの岸谷(水上恒司)の紹介で「リアル・アバター」の仕事を始める。カメラが搭載されたゴーグルを装着し、リアル(現実)のアバター(分身)として依頼主の代わりに行動する業務を通して、人々が胸の内に秘めた願いや時には理不尽な悪意にさらされ、人の心の奥深さとわからなさを日々体感してゆく。そんなとき、仮想空間上に任意の〝人間〟を作る「VF(バーチャル・フィギュア)」という技術を知る。「母は何を伝えたかったのか?どうして死を望んでいたのか?」整理のつかない気持ちを解消するため、なけなしの...
里枝(安藤サクラ)は離婚を経て、子どもを連れ故郷に戻る。森の伐採現場で働く「大祐」(窪田正孝)と知り合い再婚する。ある日、不慮の事故で「大祐」が命を落とす。法要で夫が名前も分からぬ別人であることが分かる。里枝は弁護士の城戸(妻夫木聡)に身元調査を依頼する。 ©2022「ある男」製作委員会