「ボクたちはみんな大人になれなかった」
テレビの美術制作会社で働く46歳の佐藤(森山未來)は、かつての友人、七瀬(篠原篤)との再会をきっかけに、かおり(伊藤沙莉)と過ごした日々を思い出す。ウェブ連載中から話題を呼んだ、燃え殻による同名ベストセラー小説を映画化。2020年に過去のエピソードを挟み込む構成で、時間は15年から1995年へとさかのぼっていく。 忘れられない恋を彩るのは、小沢健二の音楽、WAVEの袋、シネマライズなど90年代のカルチャー。美術や小物などを丁寧に作り込んだ描写が続き、懐かしさで胸が締めつけられる観客も多そうだ。一方で文通からSNSへとツールが変わっても、他者とのつながりを求める普遍的な感情もすくいとられている...