2024年も半分が過ぎ、映画館で配信で、たくさんの作品が公開されています。1年の折り返し点でちょっと立ち止まって、今年の秀作、話題作をおさらいしてみませんか。ひとシネマ執筆陣が、上半期の作品からお勧めの5本を選びました。
![「悪は存在しない」©2023NEOPA Fictive](https://images.microcms-assets.io/assets/d247fcc9b85b413caf66458586629de0/4e4064bbea8d412a8c3f973f5844ee03/no-evil-exiists.jpg)
「悪は存在しない」©2023NEOPA Fictive
2024.7.04
今を捉える視点に魅了 鈴木隆
「悪は存在しない」
「人間の境界」
「ゴースト・トロピック」
「パスト ライブス/再会」
「燈火(ネオン)は消えず」
破天荒なパワーを楽しみたい
上半期に気に入った作品を並べてみたら、優に20本を超えた。邦画も洋画も時々の時代や場所、人を映す作品ばかり。目の前や周囲で起きていることも、遠い地での出来事でも、今を的確にとらえる視点に魅了された。使い古された「社会派」という範疇(はんちゅう)など大きく超え、ジャンルなど問わない。
もう一つ気にかけたいのは、学生の頃にわけも分からずひたすら見ていた「この映画って何?」「理解できない」といったたぐいの作品。映画は何でもあり。観客の好みより作り手の意志や思いが先に立つ作品の、パワーを楽しみたい。ウェルメードな映画も結構だが、やたらに目につき食傷気味。不穏だろうが観客を困惑させようがおかまいなし、セオリーなど知らぬ存ぜぬで価値観や常識を覆し、余白だらけの映画を大歓迎。アート系とは限らない。昨今、希少だからこそ余計にひいき目に見てしまう。
さて下半期。そんな映画との出会いに期待している。公開に先んじて、「お母さんが一緒」「ナミビアの砂漠」「ラストマイル」など、作り手の思い、受け取りました。
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