2024年も半分が過ぎ、映画館で配信で、たくさんの作品が公開されています。1年の折り返し点でちょっと立ち止まって、今年の秀作、話題作をおさらいしてみませんか。ひとシネマ執筆陣が、上半期の作品からお勧めの5本を選びました。
2024.7.17
「異人たち」「パスト ライブス」恋愛のほろ苦さ 山田あゆみ
「異人たち」
「パスト ライブス/再会」
「Here」
「コット、はじまりの夏」
「ありふれた教室」
「コット、はじまりの夏」© Inscéal 2022
誰かを思う気持ちが人生の豊かさに
私は「ノッティングヒルの恋人」で映画にはまったが、恋愛映画の傾向も時代とともに大きく変化したと思う。もちろん自分が年を取ったからというのもあり、超ロマンチックな物語ではなく、地に足のついたほろ苦い物語にそそられる。
2024年上半期に公開された「異人たち」「パスト ライブス/再会」「Here」は、恋愛の要素を含んではいるが、主人公が自分自身を見つめなおす作品だ。改めて、生き方や人との関わり方について考え、切なさやあたたかさといった余韻に大いに浸ることができた。人生、恋愛だけがすべてではないが、誰かを好きになるという大きなパワーを要する行為が、自分を形作るもののひとつだと思うし、誰かを大切に思う気持ちが、自分の人生に豊かさを与えてくれる。
下半期には、10月11日にホアキン・フェニックス主演の「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」が公開予定で、原作コミックでのジョーカーの恋人ハーレイ・クインを、レディ-・ガガが演じる。こちらも恋愛だけとはいえない物語になりそうで、期待が高まる。