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2023.7.03

「バイオハザード:デスアイランド」極限状態の世界を生き抜くための食事術 ~サバイバルフード~

3度の飯より映画が好きという人も、飯がうまければさらに映画が好きになる。 撮影現場、スクリーンの中、映画館のコンフェクショナリーなどなど、映画と食のベストマリッジを追求したコラムです。

石松佑梨

石松佑梨

おなじみ「バイオハザード」は、カプコンのゲームを原作とするアクションホラー映画。サスペンスフルな雰囲気、洗練されたグラフィック、恐怖を伴う敵との遭遇、必死の生存戦略などが世界的な人気を博し、これまで数多くの作品がリリースされてきました。

シリーズ初のCGドラマ「バイオハザード:インフィニット ダークネス」は、動画配信サービスNetflixで再生回数首位を獲得したそう。その時のスタッフが再び集結して制作されたCG映画がこの映画です。つまり主演もミラ・ジョボビッチではありません。

舞台はかつて刑務所として使用されていた監獄島。そのデスアイランドで、主人公たちはウイルスの起源を追求し、ゾンビに立ち向かうのです。現実の世界において、ゾンビと遭遇する場面は、なかなかありません。一方で自然災害や社会的な混乱が突然発生することによって、サバイバルが必要となる場面は珍しくないことです。そんな場面でも、家族や自分自身を養い、生き抜くためには・・・・・・ 極限状態において、あなたは何を持って戦いますか? 

私は管理栄養士ですので、ここでは極限状態で生き抜くための食トレについて考えてみました。

極限状態で生き抜くための「サバイバルフード」とは?

人間が生きるために必要な栄養素は、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの五つです。身体を作るタンパク質は、肉、魚、卵、大豆・乳製品などに多く含まれ、細胞の修復に役立ちます。穀類や芋、果物などに豊富な炭水化物は、主要なエネルギー源です。また脂質は、炭水化物の倍以上のエネルギーを持っています。良質な脂質を含むナッツは、持ち運びやすく、保存性も高いのでサバイバル時に最適です。さらに、3大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)を正常に機能させるためにはビタミンとミネラル、そして水が欠かせません。ただし、ビタミンやミネラルの供給源であるフレッシュな果物や野菜は、災害時に摂(と)りづらいため、工夫して確保する必要があるでしょう。

備蓄しておくべき「非常食5選」

長時間の避難や被災地での生活に備えて、長期保存が可能な缶詰やレトルト食品、乾物などが重宝します。ここでは備蓄しておくべき非常食を五つ紹介します。

飲料水

人間の体は、半分以上が水からできており、体温調節やさまざまな代謝にも欠かせないものです。備蓄水にも限りがある場合は、水を浄化して使用する必要があります。このときに便利なのが、携帯用の浄水ボトルです。また煮沸は、簡単かつ効果的な浄化方法です。水を沸騰させ、一定時間沸騰させた後、十分に冷まして使用します。煮沸により微生物が不活性化され、水が安全になるのです。
 

長期保存用食品(缶詰、レトルト食品)

保存がききづらい魚類は、ツナやサバ、いわしなどの缶詰などで! 炭水化物とタンパク質を同時に摂れる豆の缶詰も、料理不要でそのまま食べることができます。また、レトルトのシチューやカレーのように、身体が温まるスープ類もうれしいですね。

エナジーバー

穀類、ドライフルーツ、ナッツ、ココナツオイルなどを使ったエナジーバー。効率的にエネルギーが摂れます。このほか、大豆やホエイプロテインが添加されたプロテインバーも便利です。話題の完全栄養食品なら、不足しがちなビタミンやミネラルまでバランスよく補えます。

ナッツ

良質なオイルがぎゅっと詰まったナッツ類は、貴重なエネルギー源です。保存性が高いのも◎ 。よくかむことはストレス発散にもつながります。

ドライフルーツ

新鮮な食材が手に入りにくい状況下で、貴重なビタミンとミネラルの補給源です。果物缶、チョコレート、コーヒーなどとともに嗜好(しこう)品として、災害時にホッと一息するためにも活用したいですね。

緊急時に簡単に作れておいしい「ポリ袋ごはん」

貴重な水と熱源を有効に使える災害時料理として活躍するのが「ポリ袋」です。高密度ポリエチレンという素材は耐熱温度が110℃くらいまであるので、調理にも使えます。ここではポリ袋を使って白米を炊いてみましょう。

Photo by Adobe Stock


材料(2人分):精白米1合、水1カップ(計量できない場合は米の1.2倍程度の水を加える)
ポリ袋、カセットコンロ、鍋

作り方:①ポリ袋に米と水を入れ、袋の空気を抜いて、少し余裕を持たせて封を縛る。
②鍋に湯(雨水でもOK)を沸かし、①全体が水につかるように

入れて25〜30分加熱する。③火を止めて袋を鍋から取り出し、そのまま米を蒸らす。

災害時に、ポリ袋は料理以外でも活躍します。ポリ袋を食器に入れた状態で料理を盛り付ければ、お皿を洗う水を節約できます。また、手洗いがしづらい環境では簡易手袋にもなるのです。

未知のウイルスに負けない免疫力を養うのも、食トレの得意分野ですが、ゾンビになってしまうようなウイルスに、人間の免疫力が打ち勝つことができるのか・・・・・・そう考えると、いざという時の備えはしておきたいものです。

映画飯の可能性は無限大です。
映画とともにサバイバルフードの大切さを見直してみませんか?

ライター
石松佑梨

石松佑梨

いしまつゆり トトノイニスト (管理栄養士・国際中医薬膳管理師)。サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から、おいしいへの執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に「過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー」(かんき出版)がある。2023年4月よりイラストも担当。