第78回毎日映コン表彰式であいさつする監督賞の石井裕也監督=前田梨里子撮影

第78回毎日映コン表彰式であいさつする監督賞の石井裕也監督=前田梨里子撮影

2024.2.14

「憧れのゴジラ 関われてうれしい」 第78回毎日映コン表彰式

毎日映画コンクールは、1年間の優れた作品と活躍した映画人を広く顕彰する映画賞です。終戦間もなく始まり、映画界を応援し続けています。

ひとしねま

ひとシネマ編集部

第78回毎日映画コンクール表彰式は14日、東京都目黒区のめぐろパーシモンホールで行われた。毎日映コンならではのスタッフ部門、受賞者は口々に喜びを語った。

「月」で撮影賞の鎌苅洋一は、2023年6月の交通事故に遭いリハビリ中と明かした。「受賞の連絡に、仕事を続け、作品を届ける思いを新たにした」と話した。美術賞の上條安里は「ゴジラ-1.0」での仕事を「子供の頃から憧れだったゴジラに関われてうれしい。数カ月かけてがれきを集めて燃やした」と振り返った。音楽賞のジム・オルークは熊切和嘉監督の「658km、陽子の旅」で受賞。「熊切監督とは14年間仕事をしてきた。一緒に作れてうれしい」とあいさつ。
 
録音賞は「せかいのおきく」の志満順一。「日本の映画人にとって一番うれしい賞。学生時代の自主映画のように、好きで作った作品が花開くのを味わえたことが大きな喜び」と語った。脚本賞は同じ「せかいのおきく」の阪本順治。「低い視座から世の中を見ようと心がけているが、今回は汚いところから見てやろうと覚悟した。クソ真面目に、やけクソで、なにクソと思って作った」とシャレでまとめた。
 
「月」で監督賞の石井裕也は、作品を見ることなく亡くなった河村光庸プロデューサーの名前を挙げた。「あの世で喜んでいるのでは。世間の批判を気にせず、同調圧力やえたいの知れない空気と闘った。エッセンスを引き継いで頑張りたい」と力強く。

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ライター
ひとしねま

ひとシネマ編集部

ひとシネマ編集部

カメラマン
ひとしねま

前田梨里子

毎日新聞写真部カメラマン