原作は、実際の障害者殺傷事件に着想を得て、2017年に発表された辺見庸の同名小説。人間存在と社会の在り方にまつわる本質的な問いを突きつけたこの小説の映画化を2022年6月に急逝したスターサンズの故・河村光庸が生前に企画。その河村からオファーを受け、「舟を編む」(13年)や「茜色に焼かれる」(21年)の石井裕也がメガホンをとった。
物語の舞台は、深い森の奥にある重度障害者施設「三日月園」。ここで新しく働くことになった堂島洋子(宮沢りえ)は書けなくなった元有名作家。夫の昌平(オダギリジョー)と愛に満ちた慎ましい暮らしを営んでいる。 施設では、作家志望の若い職員の陽子(二階堂ふみ)や、絵の好きな青年さとくん(磯村勇斗)らと親しくなる。そしてもうひとつの出会いは、光の届かない部屋で、ベッドに横たわったまま動かない〝きーちゃん〟だ。 洋子は施設の仕事にはだんだん慣れてきたものの、この職場は決して楽園ではない。洋子は他の職員による入所者への心ない暴力や虐待を目の当たりにする。そんな理不尽に誰よりも憤っているのは、さとくんだった。彼の中で増幅する正義感や使命感が、やがて怒りを伴う形で徐々に頭をもたげていく。「やっと決心がつきました。頑張ります。この国のためです。意味のないものは僕が片づけます」 。そして、その日がやってくる。
©️2023『月』製作委員会
公開日: 2023年10月12日
月
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2023年 /日本 /144分 /PG12
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公式サイト: https://tsuki-cinema.com/
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