「桐島です」

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公開日: 2025年07月03日

「桐島です」

2024年1月26日、連続企業爆破事件で指名手配されていた「東アジア反日武装戦線」メンバー、桐島聡容疑者が神奈川県内の病院に入院していることが判明する。男は偽名を使って生活していたが、「最期は本名で迎えたい」と名乗り出たのだった。桐島は報道の3日後に死亡し、爆発物取締罰則違反の疑いで全国指名手配されていた「韓国産業経済研究所」ビル爆破事件への関与は、被疑者死亡で不起訴処分となる。本作は、桐島が何を思い、どんな事件を起こし、そして半世紀にわたって、どんな逃亡生活を送っていたのか。その謎に満ちた軌跡を追う。

監督は、「夜明けまでバス停で」(22年)の高橋伴明。数々の映画賞を受賞した同作の脚本家・梶原阿貴とのコンビでシナリオ化。桐島の盟友で現在も反権力闘争を続ける宇賀神寿一氏も取材協力している。また、医師の長尾和宏が「痛くない死に方」(20年)や「夜明けまでバス停で」に続き、高橋作品の製作総指揮を務める。桐島聡役は、主演映画「ケンとカズ」(16年)で注目されて以来、映画・ドラマで活躍し続ける毎熊克哉。本作で、桐島の20代から70歳で亡くなるまでを演じている。さそり部隊のメンバー宇賀神寿一役には「SR サイタマノラッパー」(09年)、「心平、」(24年)の奥野瑛太、ミュージシャンのキーナ役に「春画先生」(23年)の北香那、謎の女役で高橋伴明監督のパートナーで、昭和を代表する俳優の一人である高橋惠子が出演している。また、「さすらいのボンボンキャンディ」(22年)の原田喧太と影山祐子のコンビがバーの店主役と工務店の事務員役をそれぞれ演じる。さらに、甲本雅裕、山中聡、白川和子、下元史朗、趙珉和ら、高橋組に馴染み深い俳優陣が脇を固めている。

高度経済成長の裏で社会不安も増大していた1970年代の日本。大学生の桐島聡は反日武装戦線「狼」と行動を共にする。しかし、1974年の三菱重工爆破事件で多数の犠牲者を出したことで、深い葛藤に苛まれる。組織は警察当局の捜査によって壊滅状態になり、指名手配された桐島は偽名を使って逃亡、やがて工務店での住み込みの職を得る。ようやく手にした静かな生活の中で、ライブハウスで知り合った歌手キーナの歌「時代遅れ」に心を動かされ、相思相愛となるが…。

公式サイト: https://kirishimadesu.com/

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