チャートの裏側:俳優で輝く恋愛映画
恋愛映画として、異例のヒットである。ビートたけし原作の「アナログ」だ。最初の4日間で、興行収入が3億4000万円。12億円以上は見えた。恋愛映画は今、10億円超えが簡単ではない。訴求層の若い観客に響く作品が減っているからだ。そうした昨今、健闘の出足と思う。 「アナログ」は、主演を務めた二宮和也が素晴らしい。人を思う気持ちの表現力において抜きんでている。それは、演技がうまいといった、ありきたりな言葉では表せない。役柄になりきるというのとも違う。人を思う気持ちの強さ、深さが、画面を張り裂けそうにする。 その思いは、2人の女性に対して向けられる。母(高橋惠子)と、みゆき(波瑠)だ。その際、二宮は...