「エマニュエル」 抑圧されてきたセクシュアリティーの解放
1974年に公開され、過激で自由な性描写から社会現象になった「エマニエル夫人」が、全く新しい現代の官能映画としてよみがえった。ホテルの品質を査察するエマニュエル(ノエミ・メルラン)は、香港の一流ホテルに滞在してサービスや設備を報告する中で、謎の男シノハラやプールの常連客の女ゼルダと交流を深め、快楽の世界に誘われていく。 リメーク感は全くない。規律や厳格さを追求する孤独な仕事に就いていたエマニュエルが、自分をさらけ出し、男性社会が定めたエロチシズムを大胆に打ち破っていく。「あのこと」のオードレイ・ディバン監督は、エマニュエルを性の興奮と陶酔を求めて自ら踏み出す女性として捉え、抑圧されてきた女性...