第35回東京国際映画祭が始まります。過去2年、コロナ禍での縮小開催でしたが、今年は通常開催に近づきレッドカーペットも復活。日本初上陸の作品を中心とした新作、話題作がてんこ盛り。ひとシネマ取材陣が、見どころとその熱気をお伝えします。
2022.10.24
東京国際映画祭 二宮和也「『ラーゲリ』開幕にふさわしい」 華やかレッドカーペット
第35回東京国際映画祭が24日開幕し、東京・東京宝塚劇場でオープニングセレモニーが行われた。今回は「飛躍」がテーマ。コロナ禍で縮小開催された前2回から、レッドカーペットが3年ぶりに復活。開幕作品「ラーゲリより愛を込めて」主演の二宮和也さん、フェスティバル・アンバサダーの俳優、橋本愛さん、コンペティション部門の日本映画「窓辺にて」の稲垣吾郎さんら、国内外からのゲストが盛装して入場した。
フェスティバル・アンバサダーの橋本愛
橋本愛「制約の中で作品と出会って」
開幕式は宝塚歌劇団OGの柚希礼音らのパフォーマンスで始まり、フェスティバル・アンバサダーの俳優、橋本愛が登場。「今は好きな時に好きなように映画が見られるが、映画祭は決まった時間、決まった場所という制約の中で作品に出会える貴重な機会になると思います」とアピール。
東京国際映画祭開幕式での宝塚OGによるパフォーマンス=映画祭提供
分断の中で共感を取り戻す機会に
コンペティション部門の審査委員長、米国の演出家・映画監督のジュリー・テイモアは「多くの国の人々が一堂に会することはすばらしい。世界が分断されている中で、映画は今、最も必要とされている共感を取り戻させてくれる」とあいさつ。
「わたしのお母さん」の杉田真一監督と井上真央
続いて開幕作品の「ラーゲリより愛を込めて」の瀬々敬久監督と二宮和也が登壇。二宮は「レッドカーペットで声をかけられ取材を受けて、復活を実感してうれしかった」と感慨深げ。
「困難の先に希望を」二宮和也
「ラーゲリより愛を込めて」については「オープニングにふさわしい作品と自負しています。つらくて苦しくてしんどいことばかりだが、その先に希望や愛、絆が深く刺さると思う」と語った。瀬々監督は「ウクライナで戦争が続く状況をどう生きるか、77年前から始まる物語を通して今の時代を捉え直してもらいたい」と訴えた。
「窓辺にて」の今泉力哉監督、中村ゆり、稲垣吾郎、玉城ティナ(左より)
待てば海路の日和あり
最後に安藤裕康チェアマンが「待てば海路の日和ありという。つらい日々を越えてようやく通常開催が可能となりつつある。さらなる飛躍をめざしてがんばりたい」と開会を宣言した。
映画祭は11月2日まで、日比谷・有楽町・銀座エリアの映画館で169作品を上映する。最高賞の東京グランプリなどを競うコンペティション部門には、日本映画3本を含む15作品が出品され、授賞結果は最終日に発表される。
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