高倉健「歌」と「旅」:その2
2014年12月24日に掲載された高倉健「歌」と「旅」。 本日は「旅」編を再掲載します。 寡黙に苦難と向き合う生き様 背中で語る男の美学 高倉健は、旅が似合った。物見遊山に縁はなく、苦難の冒険や過酷な逃避行。愚痴をこぼさず嘆きもせず、厳しい道を自ら選ぶ。じっと耐える背中には、流れ者の孤独と美学が漂った。義理が重たい男の世界を、黙って生き抜いた健さんの足取りを、映画にたどってみよう。 ◇「健さん=北海道」 なんと言っても縁の深いのは北海道だ。 1958年「森と湖のまつり」(内田吐夢監督)は阿寒湖が舞台。デビュー間もない健さんは、怒れるアイヌの青年を熱演した。さらに「健さん=北海道」を...
勝田友巳
2022.4.09