「モリコーネ 映画が恋した音楽家」
2020年に91歳で死去した映画音楽家エンニオ・モリコーネの足跡をたどるドキュメンタリー。長期の密着取材で本作を完成させたのは、「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督。2時間37分のボリュームに加え、中身の充実ぶりにも驚かされる一作だ。 作曲家ゴッフレード・ペトラッシに師事したのち、編曲者として成功を収めた青年時代。幼なじみのセルジオ・レオーネ監督と組んだ「荒野の用心棒」の音楽で一躍脚光を浴びたものの、クラシックを捨てて商業音楽に走ったことへの苦悩など、意外な真実が本人の口から語られる。天性の才能とたゆまぬ実験精神が築き上げたフィルモグラフィーは500本以上におよび、代...