この1本:「ナポレオン」 圧巻の戦闘シーン
不世出の天才戦術家にして冷酷な独裁者。あのナポレオン皇帝の生涯を描く超大作となると、メガホンを託すのはこの人しかいないだろう。「グラディエーター」「キングダム・オブ・ヘブン」や近作「最後の決闘裁判」など、幾多の歴史巨編で名高いリドリー・スコットの新作だ。 本人にとっても念願の企画だけに、マリー・アントワネットがギロチン刑に処せられ、若きナポレオン(ホアキン・フェニックス)が1793年のトゥーロンの戦いで名を上げる序盤からして迫力十分。1804年に皇帝に即位したナポレオンが、ワーテルローの戦いに敗れ、21年に没するまでの栄枯盛衰を映し出す。 その28年間の軌跡を語るうえでスコット監督が重点を...