チャートの裏側:新感覚「ミステリ」
原作がコミック、テレビドラマ化を経て、テレビ局が中心となり映画版を製作した。「ミステリと言う勿(なか)れ」だ。大ヒットである。最終興行収入で45億円以上が見込まれるという。この数字にはちょっと驚く。ドラマのファンが多いと聞いた。ドラマ映画の底力が実感できた。 モジャモジャ頭の久能整(ととのう)が主人公だ。地方の富豪一族の遺産相続に関わる。ジャンル的には探偵ものだが、従来の探偵の謎解きとは様相が違う。そもそも、彼が踏み込む段階では事件は起こっていない。話は過去の忌まわしい出来事が中心だ。なかなか、面白い劇構成である。 探偵映画的なジャンルでは、探偵に魅力がないと肩透かしを食らう。いかに巧妙な...