チャートの裏側:魅力の源泉が混乱にも
1位の「ソー ラブ&サンダー」は、最初の3日間の興行収入が約5億9000万円にのぼった。大ヒットである。米国のマーベルコミックスを原案とするマーベル映画の新作だ。このシリーズは今作で4本目。これまで10億円を超えたのは1本のみ。今回は最高成績が期待される。 幾多の苦難を経たヒーローのソーが、スーパーパワーを得た〝元カノ〟と共闘する。珍しく下ネタもあり、コミカルな作風かと思いきや、そうでもない。愛を深めていく男女共闘のヒーロー劇には、ずしりと重い筋書きもある。ただ、どこか新鮮味に欠ける。なぜだろうか。 マーベル映画の現状を考える。2020年以降では、新作以外で7本が公開。別格的な人気を誇る「...