毎日映コンの軌跡⑪ 技術部門を手厚く顕彰 専門家と評論家が議論し評価
毎日映画コンクールの特徴の一つは、技術部門を手厚く顕彰していることだ。 第1回(1946年度)から、監督▽脚本▽撮影▽音楽――の各賞を設け、第2回で録音、美術両賞が加わって、現在と同じ形になっている。米国のアカデミー賞をお手本としたようだ。毎日映コンの選考委員でもあった映画評論家の飯島正は48年、技術賞について「日本映画の技術を進歩させるうえに効果があることと信ずる」と書いている。 当時、技術部門の賞は、47年度から始まった日本映画技術協会(後の日本映画テレビ技術協会)の「日本映画技術賞」があった。撮影、照明、録音、美術などの部門で、協会員である技師が賞を選んだ。その後、各職能団体が賞を設...