チャートの裏側:スタジオの弱体化
リドリー・スコット監督の「ナポレオン」は、動画配信大手が製作した。10月公開のマーティン・スコセッシ監督の「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」も同様だった。2本とも大作だ。米映画界で最高峰にいると思える監督2人の新作が、なぜか配信大手で製作された。 スコット作品は歴史スペクタクルだ。スコセッシ作品は第二次世界大戦前の米国先住民と白人の話を軸にした。製作費は膨大だ。ヒットも難しいと思われる。興行を視野に入れたメジャースタジオが、簡単に関わることのできる作品ではない。巨匠監督は配信大手に頼ったのだ。 配信大手の事業の基軸は映画館相手の興行面ではない。ただ最近、興行に目を向けてきた。劇場公開す...