時代の目:「東京2020オリンピック」独自の視点で刻んだ日本
すったもんだの末、1年遅れの無観客で開催された東京オリンピック。もう一度見たいというほどの盛り上がりに至らず、加えてこの映画、名場面や感動のハイライト集とはほど遠い。では何を記録し、何を見るべきか。一言で言うなら「SIDE:A」は赤ちゃん、「SIDE:B」はオジさんだ。 「SIDE:A」の中心はアスリートたち。カメラは超美技やメダルよりも、五輪が彼らの人生に持つ意味を見つめている。印象深いのは母親たちだ。出産、育児と競技の両立は可能なのか。赤ちゃんを抱いた彼女とパートナーたちの、決断と思いが響く。 「SIDE:B」は、大会成功に心血を注ぐ裏方に光を当てる一方で、反対派や組織委員会内のゴタゴ...