チャートの裏側:あえて求める響く邦題
公開前に「フェイブルマンズ」というタイトルを見たとき、随分言いづらいし、覚えにくいと思った。日本向きの邦題が必要ではないか。興行を少しでも有利にもっていくためだ。洋画は以前から、原題をカタカナ文字にするタイトルが増えている。これに疑問をもってきた。 ところが、「フェイブルマンズ」という邦題は、これでなければならない理由があった。とくに、原題はそうである。これは主人公の名前で、彼がこの名前を言うシーンが、作品の重要なテーマの一つになっている。監督はスティーブン・スピルバーグ。彼の自伝的な作品だ。 洋画は難しいと、つくづく感じた。本来なら、日本向きの邦題にすべきだろうが、作品を見た以上、そのよ...