特選掘り出し!:「化け猫あんずちゃん」 みずみずしい、ひと夏の物語
30年以上生きて化け猫になったあんずちゃん(声・森山未來)は、人語を解しスクーターを乗りこなしてお寺の寺男として働いている。和尚の息子が現れて11歳の娘かりん(五藤希愛)を預けていったために、あんずちゃんは夏休みの間の世話係となった。 人を食ったと、あきれるなかれ。タイトルと設定と絵柄から予想される興趣のはるか上を行く佳品。だらしない中年オヤジのごときあんずちゃんは情に厚い人格者(?)で、頼りない父親を、不満だらけでも慕うかりんを見守る。その距離感が絶妙で、多感な少女のひと夏の物語としてみずみずしい。 あんずちゃんにしか見えない貧乏神とか妖怪とかが現れるとぼけたエピソードは脱力系のコメディ...