私と映画館:魔界への入り口
幼い頃から超常現象や未確認生物に興味津々だった筆者は、当然のように怪しげな映画に魅了された。雑誌「ロードショー」を買い、積極的に見始めたのは小学4年生の頃だが、茨城県の地元には映画館がない。そのためバスで利根川を越え、千葉県野田市の野田銀映に通った。野田銀映では洋画の娯楽大作もかかったが、特に胸がときめいたのは恐怖映画の2本立てだ。 ところが一度、館主のおじさんに入場を断られた。残酷ドキュメンタリー「グレートハンティング」(1975年)にライオンが人を食う場面があり、「子供には見せられない」というのだ。筆者の目当ては「悪魔のいけにえ」(74年)のトビー・フーパーの新作「悪魔の沼」(76年)だ...