なべしま あつひろ
1962年生まれ、撮影監督「護られなかった者たちへ」(2021年)「夕方のおともだち」 (2022年)「母性」(2022年)「ラーゲリより愛を込めて」(2022年)「愛にイナズマ」(2023年)「少年と犬」(2025年)
5年で日本を3000キロ縦断 東北の震災で家族を失ったジャーマンシェパード犬の多聞(たもん)は、離れ離れになった大切な人に会うため5年の歳月をかけて日本を3000キロ縦断する。その途中で出会った人々は多聞と過ごす時間のなかで心が癒やされ人生に希望を見いだしていく。人と人とをつなげながら旅する多聞はどこへ向かっているのか――。 「ラーゲリより愛を込めて」にもクロという犬が 瀬々敬久監督、林民夫脚本と言えば「ラーゲリより愛を込めて」が記憶に新しい。戦後10年、ラーゲリ(収容所)で強制的に働かされた日本人たち。この生活はいつまで続くのか、果たして祖国に帰れる日は来るのか……と希望を見い...
PR東宝
2025.3.10
原作は、様々な背景を抱えた人々と一匹の犬とのふれあいを描き、第163回直木賞を受賞した馳星周による同名小説。映画では、原作の複数のエピソードにオリジナルのストーリを加え、1匹の犬〝多聞〟が大切な人に会うために岩手県釜石から日本を縦断する旅路の中で出会った、傷つき、悩み、惑う人々との心の交流を描き出す。メガホンをとったのは、「ラーゲリより愛を込めて」(2022年)や「護られなかった者たちへ」(21年)、「糸」(20年)、「8年越しの花嫁 奇跡の実話」(17年)など、骨太な社会派ドラマから恋愛ドラマまで幅広いジャンルで人間ドラマを描く名手、瀬々敬久監督。「永遠の0」(13年)や「藁の楯」(13年)...
監督は、「舟を編む」(2013年)をはじめ、「川の底からこんにちは」(09年)、「ぼくたちの家族」(14年)、「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」(17年)、「茜色に焼かれる」(21年)、「アジアの天使」(21)など、多くの作品が国内外で高く評価されている石井裕也。主演は日本アカデミー賞の優秀主演女優賞に3度輝いた松岡茉優と、「ある男」(22年)で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した窪田正孝。名実共に兼ね備えた2人が石井組に初参加する。 夢だった映画監督デビューを目前に控えて、26歳の折村花子(松岡茉優)は気合に満ちていたが、家賃滞納で強制退去寸前だし、助監督からは露骨なセクハラを...
第二次世界大戦後の1945年、厳冬のシベリア。零下40度の寒気の中、わずかな食料で過酷な労働を課せられ死者が続出する収容所(ラーゲリ)に、その男・山本幡男はいた。「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます」。絶望する抑留者たちに、山本は訴え続けた。山本は日本にいる妻と4人の子どもと一緒に過ごす日が訪れることを信じ、劣悪な環境にいる仲間を励ました。その行動と信念は、日本人捕虜たちの心を次第に溶かしていく。 終戦から8年後、ようやく山本に妻からのハガキが届く。「あなたの帰りを待っています」。1人で子どもたちを育てている妻を思い、山本は涙を流さずにはいられなかった。...
東日本大震災から10年目、宮城県で福祉関係職員が餓死させられる事件が発生する。身動きを取れなくして監禁、放置されたのだ。刑事笘篠(阿部寛)は、事件直前に刑務所から出た利根(佐藤健)を追う。施設で育った利根は、震災の避難所で出会った少女カンちゃん(石井心咲)、一人暮らしのけい(倍賞美津子)と家族同然の暮らしをしていたが、けいが生活保護を受けられなかったことに怒って事務所に放火していた。笘篠は怨恨(えんこん)の線で捜査を始め、被害者の部下幹子(清原果耶)から生活保護行政の話を聞き、現場に同行する。 © 2021映画「護られなかった者たちへ」製作委員会
名古屋市内を流れる中川運河という今はもう使われていない運河を舞台に描く、東日本大震災後の世界に生きる男と女の〝喪失と再生〟の物語。2013年に愛知県名古屋市の映画館「シネマスコーレ」の支配人である木全純治より、短編映画の依頼を受けた永瀬正敏が原案を書き、井上淳一が脚本・監督を務めた。原爆実験による放射能の恐怖に怯えた男(三船敏郎)が狂っていく黒澤明監督の「生きものの記録」と同じタイトルを付け、東日本大震災による原発事故後の誰もいなくなった世界をイメージする本作を、同作のその後を描く物語と位置付けている。 主演は永瀬正敏、女を撮影当時まだ京都造形大学の学生だったミズモトカナコが演じる。主題歌は...