チャートの裏側:映像への傾斜が狭める幅
これは大番狂わせではないか。「アバター」の続編が、トップになれなかった。「アバター」1作目の興行収入は156億円。しかも今回は、何と1466スクリーンという前代未聞の上映体制だ。絶大な実績、公開規模のスケール感などから、トップが約束されている作品だった。 興行の成否を握るとみられたのが、映像の革新性だ。映像の革新性とは、よく聞く言葉だが、3D映像の一つの到達点を作った「アバター」の続編ならば、その言葉に信憑(しんぴょう)性はある。確かに、色彩感覚豊かな海底シーンをはじめ、異次元世界へ誘う優れた描写が数多くあった。 ただ、映像の革新性が興行において絶大な威力を発揮するのは、物語との兼ね合いに...