<ネタバレ注意>対ゴジラ戦闘で大活躍のあの兵器は理にかなっている 現代史記者が読み解いた「-1.0」の教訓
1954年の初登場から70年目、30作目にして「ゴジラ-1.0」の舞台に選ばれたのは、敗戦間際と敗戦後の日本。「大日本帝国」は、敗戦によって明治以来度重なる戦争で広げてきた植民地をすべて失い、「固有の領土」だった北方領土まで奪われ、かつ「一等国」の地位から敗戦国となり、多くの軍人らが連合国の裁判で「戦犯」とされ死刑になった。「新生日本」は「ゼロからの出発」どころか、まさに「マイナスからの出発」だった。筆者は日本の近現代史を20年以上取材、執筆している。本作で描かれている、特攻で出撃しながら帰還した元兵士や、空襲によって孤児になった人たちも取材してきた。そうした史実に照らして映画を見てゆこう。 ...
栗原俊雄
2023.11.15