チャートの裏側:予測不能な柔和と衝動
相変わらず、邦画アニメーションのにぎわいが顕著だ。新作含め、10本中6本を占める。では、邦画の実写作品はどうだろうか。大手の配給作品の動向は、その都度お伝えしている。大手以外で忘れてはならない作品が、この上半期にあった。「死刑にいたる病」である。 公開6週目の12日、本作を見るために東京・新宿のシネコンを訪れて驚いた。ほぼ満席であった。若い男女が多い。出演している俳優の人気もあろうが、これは明らかに中身に理由がある。途中から、なるほどとうなった。予測不能の話の展開に、ぐいぐい引き込まれるのである。 残虐極まる殺人犯が主人公だ。死刑判決を受けた殺人犯は、拘置所で一人の青年と面会する。ここから...