Brad Pitt
1963年12月17日 生まれ
「ブラッド・ピット」記事件数
今回は、映画と本の話。なにせ格好の映画本が刊行されたばかりなのだから、乗らない手はない。クエンティン・タランティーノが自らの監督作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019年)を改めて小説化した──とはいえ、細部にとどまらぬあまたの差異があり「ノベライズ」とは違う──「その昔、ハリウッドで」(文藝春秋)がそれだ。 「その昔、ハリウッドで」クエンティン・タランティーノ著、田口俊樹翻訳、文藝春秋、2750円+税 自作を自ら小説化「その昔、ハリウッドで」 1969年の映画業界を舞台としている映画版「ワンス」以上に、小説版は内幕要素が増幅しており、構成も含めて全く別物...
髙橋佑弥
2023.7.10
1920年代のハリウッド、サイレント映画の大スター、ジャック(ブラッド・ピット)がパーティー会場を訪れる。新人俳優のネリー(マーゴット・ロビー)は大胆な振る舞いでチャンスをものにし、スターへの階段を駆け上がる。ネリーと知り合った青年、マニー(ディエゴ・カルバ)も、ジャックの助手として業界への足がかりをつかむ。 ド派手なパーティーシーンは誘惑と堕落に満ち、道徳が乱れた罪深き都市バビロンは、ハリウッドを象徴している。繁栄したものはやがて廃れ、映画がサイレントからトーキーへ変革を遂げる中、ジャックら3人の運命が変わっていく様が悲しい。 下品な演出にはうんざりしたが、音楽やファッションのきらめきは...
2023.2.10
また、米映画で変な日本を見せられるのか。予告編に接した限り、かなり微妙な感じがあった。「ブレット・トレイン」だ。日本の高速列車内で、さまざまな思惑をもったワルたちが丁々発止を繰り広げる。最終の興行収入見込みは15億円が一つの目安か。まずまずだと思う。 高速列車は、東京発、品川、新横浜、静岡、某駅(浜松か)、名古屋、米原に停車し京都になだれこむ。列車名は「ひかり」ならぬ「ゆかり」という。本作では駅名が重要だ。内容とリンクしているからで、実のところ、名古屋まではかなり退屈し、米原からがぜん面白くなる。 面白さは、真田広之演じる日本人の元ヤクザが米原から乗り込むからだ。一触即発の列車内で、堂々た...
2022.9.09
ミッキーマウスが初登場した「蒸気船ウィリー」(1928年)のあと「白雪姫」(37年)から昨年の「ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界」まで、61作ものディズニー・アニメーション映画を生み出してきたウォルト・ディズニー・カンパニーが1923年の創立から100年となった。100周年を記念して製作されたアニメーション映画「ウィッシュ」は、ディズニーの長い歴史に敬意を払い、数々の作品からインスパイアされて生まれたアイデアを生かした独創的なドラマチックミュージカルだ。 物語のキーワードは、<願い>と<星>。「ピノキオ」(40年)で歌われて以来、ディズニー・ソングとして有名な「星に願いを」を例に挙げる...
金子裕子
PRウォルト・ディズニー・ジャパン
2023.12.08
「ブレット・トレイン」宣伝のため、8月に弾丸来日したブラッド・ピット。あふれんばかりのサービス精神、大物ぶりを見せつけて、通り過ぎていった。さすがハリウッド、これぞスター。元々それほど熱心なファンではないし、「ブレット・トレイン」も「……?」な映画だったが、あの姿を見たら応援しないわけにはいかない。そんな気にさせるのだ。 コロナ禍で海外映画人の来日キャンペーンがすっかりなくなっていた中で、5月のトム・クルーズに続く大スター登場。映画宣伝のために新幹線を丸々1編成仕立て、共演者と監督、取材させる記者を乗せて東京から京都まで特別ダイヤで走らせた。「時速300㌔のレッドカーペット」というわけだ。 ...
勝田友巳
2022.9.08
いつも厄介な事件に巻き込まれる不運な殺し屋レディバグ(ブラッド・ピット)が、東京発の超高速列車に乗り込む。それはブリーフケースを盗んで次の品川で降りるだけの簡単な仕事だったが、なぜか9人の殺し屋に命を狙われるはめに。レディバグらを乗せた列車は、終着駅の京都に向かって疾走していく。 伊坂幸太郎の小説「マリアビートル」が原作のアクションコメディーである。舞台は東海道新幹線だが、車内シーンはハリウッドのスタジオで撮られ、破壊的なバイオレンス、カラフルな装飾が満載でやりたい放題。日本のアニメや漫画のテイストを取り込みつつ、独自の様式美を追求した映像世界は、殺し屋たちの因縁話も盛り込まれ、あらゆる場面...
2022.9.02
ブラッド・ピット主演最新作「ブレット・トレイン」は米国では8月5日に公開され、すでに世界の累計興行収入が1億ドルを突破する大ヒットだ。その超大作の原作者としてクレジットされたのが作家の伊坂幸太郎。2010年刊行の小説「マリアビートル」(KADOKAWA)を、デビッド・リーチ監督がハリウッド流に仕立て直した。 試写を見た作家がまず一言。「いやあ、おもしろかったですね。内容は物騒だし、はちゃめちゃな感じなんですが、やっぱり映画ならでは。見てて楽しくて」 (C)2022 Columbia TriStar Marketing Group,Inc. All Rights Reserved....
吉井理記
2022.8.29
新作「ブレット・トレイン」で“世界一運の悪い殺し屋”に扮し、イケおじの魅力を振りまくブラッド・ピット。58歳になったとはいえ、キュート&ダーティー&クレージー、そしてもちろんビューティーを絶妙にブレンドした独特の佇まいは相変わらず。歳を重ねた分だけ、うまみも増している。そんなブラッドの3年ぶりの来日が決定した。 初来日は「セブン・イヤーズ・イン・チベット」。まばゆいばかりの美しさだった 思い起こせば、初来日は「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(1997年)を携えた97年。33歳の時だから、じつに25年も前のことだ。作中で演じたオーストリア人登山家ハインリヒ・ハラ―の...
2022.8.24
1990年代から令和の今、ハリウッドのA級スター俳優として君臨するブラッド・ピットは、プロデューサーとしての手腕もA級だ。製作会社プランBエンターテインメント(以下プランB)は、2002年に彼とブラッド・グレイ(この後、05~17年パラマウント・ピクチャーズの会長兼CEOを務めた)、そして当時の彼の妻だったジェニファー・アニストンによって設立され、その直後からヒット作を連発したことで注目を浴びた。 出演作でなくともヒットさせているプロデュース作品の傾向とは 彼のように主役級の俳優が作品をプロデュースすること自体、ハリウッドでは珍しいことではない。ジョージ・クルーニーやレオナルド・デ...
よしひろまさみち
2022.8.23
まさに「ブラピ様お召し超特急」。ブラッド・ピット主演の「ブレット・トレイン」公開を前にした8月23日、ピットら俳優陣を乗せた特別仕立ての新幹線が、東京・京都間を疾走。走る車内で記者会見という〝史上初〟動くレッドカーペットイベントである。 人払いした東京駅17番線ホーム 午前11時、東京駅の新幹線ホーム17番線。掲示板には「団体列車」と表示され、反対側の16番線には回送車両が停車中。ホームは総勢60人ほどの取材陣とスタッフの他は人けがなくなり、警察官が立つものものしさだ。 ブラインドを下ろして到着した車両に乗り込むと、車内は映画のポスターが張り巡らされた特別仕様。MC役も...
世代を問わずに、日本人の誰もが知るハリウッドスター。トム・クルーズ、レオナルド・ディカプリオ、ジョニー・デップ……。そしてこの人、ブラッド・ピットだろう。数十年に及びこの座をキープし続けている影響力と存在感は、驚嘆に値する。 特にブラッド・ピット=ブラピは、ザ・娯楽作的なブロックバスター映画に多数出演するタイプではなく、作家性の強い作品を中心に選んできた。彼自身も、特に中期以降は二枚目的な役柄を避け、汚れ役や人間臭いキャラクターに注力。にもかかわらず、シネフィルによらずネームバリューがあり続けるという事実――。必然の“ぶっ飛び映画”である最新主演作「ブレット・トレイン」の公開を記念し、本稿...
SYO
ブラッド・ピットに恋した瞬間は、いまでも鮮明に覚えている。29年前、「リバー・ランズ・スルー・イット」(1992年)を映画館で見たときだ。しかしながら、見に行ったきっかけはブラピではなく、もともとロバート・レッドフォードのファンで、彼の監督作品という理由で選んだ作品だった。 「リバー・ランズ・スルー・イット」 ©1992 BY ALLIED FILMMAKERS, N.V. All Rights Reserved. 「リバー・ランズ・スルー・イット」での鮮烈な笑顔 「リバー・ランズ〜」は、ノーマン・マクリーンの小説「マクリーンの川」の映画化。モンタナ州の雄大な自...
新谷里映
2022.8.22
90年代の女性版アメリカン・ニューシネマと評されたリドリー・スコット監督によるロード・ムービー。第64回アカデミー賞脚本賞を受賞した名作が、4Kレストア版として蘇った。 平凡な主婦のテルマ(ジーナ・デイビス)とウェイトレスのルイーズ(スーザン・サランドン)は、週末のドライブ旅行の途中、立ち寄った店の駐車場でテルマが男に襲われるという事件が起きる。テルマがレイプされそうになった寸前、助けに入ったルイーズが護身用の拳銃で男を射殺してしまう。ルイーズにはかつて、レイプの被害を受けたトラウマがあった。次から次へとトラブルが重なり、警察に指名手配された2人は、車でメキシコを目指し逃避行を続けるうちに、...
貧困と犯罪が渦巻くボストン南部で生まれ育った2人の男。ビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)は犯罪者の一族に生まれ、自らの生い立ちと決別するために警察官を志す。一方、ボストン南部を牛耳るマフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)の手によって、幼い頃から腹心の弟子として育てられてきたコリン・サリバン(マット・デイモン)もまた、コステロの内通者となるために警察官を志す。同じ警察学校で優秀な成績を収めた2人は、お互いの存在を知らぬまま、それぞれの道を歩き出すが‥‥‥。 © 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserve...
デビッド・フィンチャー監督がフランスの同名グラフィックノベルを映画化。素性不明の殺し屋(マイケル・ファスベンダー)が初めて暗殺の仕事に失敗し、自分の恋人を傷つけた同業者たちへの復讐(ふくしゅう)に動き出す姿を描く。「セブン」(95年)のアンドリュー・ケビン・ウォーカーが脚本を手がけ、「Mank/マンク」(20年)のエリク・メッサーシュミットが撮影監督を務めた。 Netflix ©2023
落ち目のテレビ俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と専属スタントマンのクリフ・ブース(ブラッド・ピット)は、1969年のロサンゼルスで成功を得ようと奮闘する。 (C) 2019 Visiona Romantica, Inc. All Rights Reserved.
老人のような姿の赤子として生を受けたベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)は、老人ホームで引き取られ育てられることになるが、彼は年々若返っていく。バトンがたどった冒険の数々といちずな愛を描く。 © Paramount Pictures Corporation and Warner Bros. Entertainment Inc.
波乱に満ちた私生活とスターの座に至るまで、公私で全く違う姿を見せていたマリリン・モンローの素顔と生涯を大胆に描く。 Netflix © 2022
原作は、2018年に出版されたミリアム・トウズのベストセラー小説「WOMEN TALKING」。2005年から2009年にボリビアで起きた実際の事件を元に描かれている。本作への出演とプロデュースを務めたオスカー女優フランシス・マクドーマンドがブラッド・ピット率いる映画制作会社PLAN Bへ話を持ち込み、映画化が実現した。監督は、「死ぬまでにしたい10のこと」(2003年)などで女優として活躍しながら、「アウェイ・フロム・ハー」(2006年)で監督、脚本家としてデビューしたサラ・ポーリー。本作でも監督、脚本を手掛けた。主演は2度アカデミー賞にノミネートされたルーニー・マーラ。さらに、2度エミー賞...
監督は、「ラ・ラ・ランド」でアカデミー監督賞を史上最年少で受賞したデイミアン・チャゼル。時代はサイレントからトーキーへと移り変わり、〝黄金時代〟と呼ばれた1920年代のハリウッド。富と名声、野心に彩られた映画業界で夢を叶えようとする男女の運命を描く。チャゼル監督が「ハリウッド初期の堕落と狂乱の人々を描いた」と語るように、隆盛していく映画業界の夢と野心と欲望がうずまくハリウッドを舞台に、夢と音楽のエンターテイメント作品。 ブラッド・ピットとマーゴット・ロビー、トビー・マグワイア、サマラ・ウィーヴィング、オリヴィア・ワイルド、キャサリン・ウォーターストンほかの多彩で豪華な共演者が顔をそろえた。 ...
殺し屋レディバグ(ブラッド・ピット)は、超高速列車の中でブリーフケースを奪うよう指令を受けた。東京駅で乗車して間もなくブリーフケースを手に入れたものの、品川駅で降りようとしたところで、すご腕の殺し屋ウルフに襲われた。車内には計10人もの殺し屋が乗り合わせ、血みどろのブリーフケース争奪戦が繰り広げられる。伊坂幸太郎の小説「マリアビートル」が原作。 (C)2022 Columbia TriStar Marketing Group,Inc. All Rights Reserved.