チャートの裏側:躊躇呼ぶ「大作」の長さ
前回の順位と同じだったが、「オッペンハイマー」は数字を落とした。2週目の週末3日間の興行収入は1週目の約61%。「原爆の父」を描く内容と、米アカデミー賞の作品賞受賞の話題性から、スタート時に観客の集中度が高かったと言える。10日間累計は8億3000万円である。 複雑極まる人間関係は、なかなか理解が難しい。興行の決め手の一つがそこにある。話題性は興行の入り口において、ある程度の効果を発揮したが、わかりにくさは興行的にはマイナスだ。題材のインパクトと映像の迫力で飽きさせないが、口コミの強い発動はどうだろうか。 加えて、上映時間は3時間である。年配者にとっては、かなりきつい長さではないか。題材に...