「ターミナル」で学ぶ、揺るがない自分を持ちひたむきに生きる勇気と誠実さ
私はこの作品をはじめて見た時、主人公ビクターに対していら立ちを覚えた。 この物語は誠実さという軸のもと、二つの要素を含みながら展開される。一つ目は「待つ」ということ。主人公は空港ターミナルという待ち人の行き交う場所で、ひたすら父との約束を果たすために待ち続ける。もう一つは「応援される」ということ。応援されることは、案外難しい。衆目にさらされながら自分が生きるために空港ターミナル内で生活するビクターは、物語の終盤数多くの人々から「応援」されている。そしてこの二つの要素には、誠実さが必要不可欠であり、彼にはそれが備わっていた。私はこの作品を通じて、「誠実に生きる」ということについて考えてみた。...
下地芽衣
2024.8.03