「映画は映画館で」「暴力を消費するな」 イタリアの名匠からほとばしる映画愛と現代への提言
イタリアの名匠、ナンニ・モレッティ監督の新作「チネチッタで会いましょう」には映画製作の苦悩と喜びが、知的で辛辣(しんらつ)、軽妙なユーモアとアイロニーたっぷりに描かれている。50年近いキャリアの間にカンヌ、ベネチア、ベルリンの3大映画祭を制覇し、ますます深みと鋭さを増すモレッティ監督。ローマとのオンライン取材の端々に、現在の映画作りへの疑問符と映画愛があふれていた。 新作「チネチッタで会いましょう」はこんな物語だ。映画監督ジョバンニは、イタリア・チネチッタ撮影所での新作撮影を目前に控えていた。本人は、1956年のソ連のハンガリー侵攻時、イタリア共産党がソ連から脱却しようとする政治映画を撮って...
鈴木隆
2024.12.02