「ワタシの中の彼女」
コロナ禍を生きる孤独な女性たちの心情を切り取った短編集。大学時代の演劇サークル仲間3人が20年ぶりにリモートで語り合う「4人のあいだで」、40代の視覚障害者の女性とオレオレ詐欺の青年との微妙な触れ合いを描く「だましてください、やさしいことばで」など温度差の異なる四つの短編で構成する。 主演はいずれも「夕方のおともだち」の菜葉菜。4人の女性の心の動きを抑制の利いた感情表現で演じた。20代から40代の4人に共通性など求めず、現代女性の一断面を映し出した。最もドラマ性が高く見入ったのが「ワタシを見ている誰か」。リモートワーク中の30代後半の女性が、フードデリバリーの男性に、配達した食事を玄関先で食...