「違国日記」 分かり合えない者同士のラベルを貼れない関係
交通事故により両親を亡くした15歳の朝(早瀬憩)。葬儀の場で親戚たちの心ない言葉が飛び交うなか、叔母で小説家の槙生(新垣結衣)は勢いで彼女を引き取ると言い放つ。槙生は気が合わない姉(中村優子)とは交流がなかったが、この日から朝との新しい同居生活が始まる。 ヤマシタトモコの同名コミックを映画化。新垣が生硬な言葉の端々に誠実さと優しさをにじませる槙生を演じ、オーディションで選ばれた早瀬が人懐っこさと思春期の揺れを体現する。槙生の親友役の夏帆、元恋人役の瀬戸康史と配役のピースが見事にハマった。朝と槙生は母と娘のようになるわけではなく、ラベルを貼れない関係になっていくのが面白い。 完璧には分かり合...