チャートの裏側:変化球、勢いよくヒットに
意外な伏兵が現れたと言うべきか。「名探偵コナン緋色(ひいろ)の不在証明」が2位につけた。劇場版の新作ではない。すでにテレビ放映された作品の特別総集編だ。新作に必要な製作費、宣伝費は免れている。旧作ではないが、昨年のスタジオジブリ作品のブランド人気と重なる。 純然たる新作では「ファーストラヴ」が、もう少し伸びてほしかった。ある事件にかかわる女性の過去を追っていく。形としてはサスペンス劇で、よく作ってある。ただ娯楽映画として見ると、少しきつい題材、雰囲気があった。伸びない理由の一つが、そこにある気もした。 「すばらしき世界」は、人生の大半を刑務所で過ごした男の話だ。出所後、まともに暮らそうとす...