ハッとするほど鮮烈な情景が!東京ステーションギャラリー館長が見た「アリスとテレスのまぼろし工場」
いったい何の寓意(ぐうわ)に 製鉄所の事故をきっかけに、空間的にも時間的にも閉鎖されてしまった海辺の町の中学生たちをめぐる群像劇である。町と外を結ぶトンネルは土砂崩れで埋まって封鎖され、海も海流の影響で船が出入りできない。外部との交流が断たれた町では時間が経過せず、ずっと冬のままで、住民もそれ以上成長しない。つまり老人は老人のまま、妊婦は妊婦のまま、そして中学生はずっと中学生のまま学校に通い続けている。 食糧や日用品の供給、あるいはライフラインはどうなっているのか? 冬のまま時が止まった中で住民たちは同じ生活を繰り返しているわけだが、それが1日単位なのか1週間単位なのか、それとも1シーズン...
![冨田章](https://images.microcms-assets.io/assets/d247fcc9b85b413caf66458586629de0/771a83b5c05443bc8d5d703b66b071ad/%E5%86%A8%E7%94%B0%E7%AB%A0.JPG)
冨田章
2023.9.11