つちや たお
1995年2月02日 生まれ
原作は山田風太郎の同名小説。晩年に失明の苦難に見舞われながらも、28年の歳月を費やして「南総里見八犬伝」を完成させた滝沢馬琴(役所広司)の情熱を、親友の葛飾北斎(内野聖陽)との交流を軸に描く。さらに、八つの珠(たま)を持つ8人の剣士が宿命に導かれて悪に立ち向かうおなじみの物語を、視覚効果とアクション満載で映像化。〝実〟と〝虚〟のパートが交互に展開していく2部構成である。 やはり本作の新味は〝実〟のパートにある。馬琴の壮大かつ奇抜な想像力に舌を巻く北斎、そんな北斎がさらりと描いてみせる挿絵の下描きに刺激を受ける馬琴。憎まれ口をたたきつつも、互いに敬意を抱く2人の友情を、役所と内野ががっぷり四つ...
2024.10.25
今や出会い、結婚のきっかけとして世代を超えて浸透するマッチングアプリを物語の中軸に据えたサスペンススリラーである。現代の世相を反映したオリジナル脚本を書き、エンターテインメントに徹底した作品を撮りあげたのは「ミッドナイトスワン」(2020年)などの内田英治監督。映画化の経緯や題材の面白さ、主演の土屋太鳳や佐久間大介(Snow Man)の現場での意気込みなどを語った。 スカッとするスリラー、サスペンスに マッチングアプリは人と人とが出会うツールとして、トラブルはあるものの多くの男女に利用されているという。内田監督が映画の素材として関心を持った理由を話す。「はやり出したのは7、...
鈴木隆
2024.2.27
人類を恐怖に陥れた大怪獣が突然死んだ。全長380㍍、倒れた状態の高さは155㍍。死体は腐敗が進み、ガス爆発の危険が高まる。首相の西大立目完(にしおおたちめかん)(西田敏行)ら政治家はおろおろするばかりで、有効な解決策を見つけられない。爆発が迫る中、首相直轄の特務隊隊員、帯刀(おびなた)アラタ(山田涼介)に死体の後始末が命じられる。 数多くの怪獣映画は、怪獣を倒せばハッピーエンド。その後、死体はどう処理されていたのかという着眼点が新しい。しかも、今回はゴジラをしのぐ邦画史上最大級のサイズだ。アラタら現場の奮闘が描かれる一方、大臣たちは責任を押し付け合ったり怪獣に「希望」と名付けたり、やることな...
2022.2.03
パンデミックで公開が丸1年延期されているうちに、五輪への見方や接し方も大きく変わりつつある。1998年の長野冬季五輪が舞台だが、東京五輪直前(?)となった今から見ると遠い昔の、ある時代の物語にも見えてくる。 94年のリレハンメル五輪スキージャンプ団体で、日本は原田の失敗により金を逃し銀メダル。メンバーだった西方は長野五輪での雪辱を誓うが、腰の故障で代表から落選。失意の中、屈辱を感じながらもテストジャンパーとして参加する。原田ら日本は1本目で4位となるが悪天候で競技は中断。映画は猛吹雪の中、テスト飛行した25人のジャンパーに焦点を当てる。 西方や原田ら選手の挫折や嫉妬、後悔など感情の渦はセリ...
2021.6.17
児童相談所に勤める小春(土屋太鳳)は子供の頃に母が家を出たという悲しい過去を抱えているが、祖父と父(石橋凌)、妹(山田杏奈)とともにつましいながらも穏やかに暮らしている。しかし祖父が倒れた夜に自宅が火事になり、父は飲酒運転で失業、おまけに彼氏の浮気が発覚と一気に不幸の数珠つなぎに。そんな中、8歳の娘ヒカリ(COCO)を育てる医師の大悟(田中圭)と出会い、いきなり結婚することになるが……。 シンデレラストーリーのその先の悪夢を、コメディー、人間ドラマ、サスペンスとジャンルを転調させながら描いたのは、本作が商業映画デビューとなる渡部亮平。幸せへの渇望と愛ゆえに常軌を逸していく家族を、他人事(ひと...
2021.2.04
〝今際の国〟での理不尽な〝げぇむ〟を行き抜き、クリアする度に手に入る数字のトランプをすべて集めたアリス(山﨑賢人)たち。ミラ(仲里依紗)から新たな戦いの幕開けを告げられたアリスは、絵札のカードをクリアするためにウサギ(土屋太鳳)たちと渋谷に向かうが、突然始まった銃撃戦に巻き込まれる。同時に複数の〝げぇむ〟に参加することができないのではないかという仮説を立て、別の会場に向かったアリスたちを迎えたのは、強烈なカリスマ性を持つキューマ(山下智久)だった。敵でありながらも〝げぇむ〟を通してキューマの生きざまに触れ、生きることの意味を考え始めるアリス。一方、ウサギは尊敬する父を死に追いやった元の世界に戻...
里見家の呪いを解くため、八つの珠に引き寄せられた八人の剣士たちの運命を描く「八犬伝」の〝虚構〟の世界と、作家・滝沢馬琴と挿絵を頼まれた浮世絵師・葛飾北斎の奇妙な友情を通じて創作の真髄に迫る〝実話〟の世界。失明しながらも28年の歳月をかけて「八犬伝」を書き上げた馬琴の苦悩と葛藤、執念が生んだ世界を壮大なスケールで描き出す。 主人公の滝沢馬琴を役所広司、葛飾北斎を内野聖陽、八犬士の運命を握る伏姫(ふせひめ)を土屋太鳳、馬琴の息子・宗伯(そうはく)を磯村勇斗、宗伯の妻・お路(おみち)に黒木華、馬琴の妻・お百(おひゃく)を寺島しのぶが演じる。監督は「ピンポン」(2002年)や「鋼の錬金術師」シリーズ...
原作は、週刊少年マガジンで連載中の、丹月正光による同名人気コミック。 とある事情で100億円の懸賞金をかけられ、命を狙われることになった赤羽骨子(出口夏希)。大好きな彼女のためにボディガードとなった威吹荒邦(ラウール)に与えられたミッションは、彼女にバレることなく守ること。だが、まさかのクラスメイト全員がボディガードだった。 ©丹月正光/講談社 ©︎2024 映画「赤羽骨子のボディガード」製作委員会
ドラマ放映開始から38年。劇場版前作から8年。昭和・平成・令和、3つの時代を超えた最強のバディムービー。前作「さらば あぶない刑事」(2016年)で刑事を卒業し、ニュージーランドで探偵事務所を開設したタカ&ユージが横浜に帰ってくる。横浜での依頼人1号としてやってきたのは、タカ&ユージどちらかの娘?! ©️2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会
恋愛に奥手なウェディングプランナーの輪花(土屋太鳳)は、同僚の勧めでマッチングアプリに登録する。マッチングした吐夢(佐久間大介)と待ち合わせると、現れたのはプロフィールとは別人のように暗い男だった。さらに、輪花のスマホの通知が鳴り止まなくなる。「次いつ会えますか?」…。恐怖を感じた輪花は、マッチングアプリ運営会社のプログラマー影山(金子ノブアキ)に助けを求める。同じ頃、〝アプリ婚〟した夫婦が惨殺される事件が連続して発生。輪花を取り巻く人たちの〝本当の顔〟が次々に明かされ、事件の魔の手が輪花に迫る。 ©2024『マッチング』製作委員会
引きこもりがちの有栖良平(アリス)は優秀な弟と比較され居心地が悪くなり家を出て行く。親友のカルベ、チョータと渋谷のスクランブル交差点をふざけて渡っていると、大きな事故を引き起こしてしまう。警察の目を盗んで逃げ出し、隠れたトイレを出るとそこは命をかけた「GAME」をおこなうパラレルワールドへ迷い込んでしまう。 Netflixシリーズ「今際の国のアリス」は配信中 © Haro Aso,Shogakukan / ROBOT