チャートの裏側:郷愁を超え映し出す今
映画には、いろいろな形がある。「耳をすませば」は、スタジオジブリのアニメーション(同タイトル、1995年)の続編的な実写作品だ。オリジナル部分と、その10年後が話の中心で、88年と98年の時代が描かれる。10年を経て、主役の男女2人は中学生から社会人になる。 この時代は、人と人のつながり方が今とは異なる。本作は、その違いの生々しさを主に恋愛と仕事を通して活写する。ラブレターを書く。図書館で出会う。2人の関係が教室内ではやし立てられる(中学生時代)。公衆電話から海外に電話する。上司にどなられる(社会人時代)。 これらをはじめとする描写の数々が妙に身に染みる。昔は良かった、良くなかったではない...