第35回東京国際映画祭 粒ぞろいのコンペ、多数の来日ゲスト。熱気届かぬもどかしさ
コロナ禍から脱しつつある中で開かれた、第35回東京国際映画祭(10月24日~11月2日)。開幕時のレッドカーペットが復活し内外のゲストも多く訪れ、お祭りらしいにぎわいが戻ってきた。コンペティション作品もなかなかの粒ぞろいで、東京グランプリはじめ3冠を制した「ザ・ビースト」は高い完成度だった。 しかし、盛り上がったのは会場の中だけ。一歩外に出ると、雑踏にまぎれて映画祭の影はたちまち薄くなる。安藤裕康チェアマンは就任以来、大胆な改革を進めてきたが、その成果と、もどかしさも感じた映画祭だった。 「ザ・ビースト」© Arcadia Motion Pictures, S.L., Caballo...
勝田友巳
2022.11.10