「愛にイナズマ」 ユーモアと強い思いで描く〝なかったことにしたくない〟
花子(松岡茉優)は映画監督デビューを目指していたが、助監督から陰湿に罵倒され、プロデューサーにもだまされて夢は頓挫する。しかし諦めずにあらがうと宣言。交際を始めた、空気の読めない正夫(窪田正孝)と共に、10年以上音信不通だった家族のもとを訪れ、家族を題材にした映画を撮ろうとする。互いにそっぽを向いていた花子の家族が、互いへの愛情に気付くまでを、ユーモアを込めて描き切った。花子の父を佐藤浩市、長兄を池松壮亮、次兄を若葉竜也が演じた。 作品を貫くキーワードは「なかったことにしたくない」。飛び交うセリフは時に不快で理不尽だが心に刺さり、感情を揺さぶることしきり。石井裕也監督は怒りと祈りを内包した「...