ひぐち しんじ
1965年9月21日 生まれ
監督「シン・ウルトラマン」(2022年)「シン・ゴジラ」(2016年)「のぼうの城」(2011年)
第35回東京国際映画祭で29日、ジャパニーズ・アニメーション部門に出品された「ウルトラセブン」55周年記念上映トークショーが行われた。監督の樋口真嗣、評論家・監督の樋口尚文、アニメ・特撮研究家・明治大学大学院特任教授の氷川竜介が登壇。アニメ評論家である藤津亮太がモデレーターとなり、「ウルトラセブン」が残した功績や「ウルトラセブン」を「2022年の今」見るべき理由について語り合った。 知能ある宇宙人、文明の衝突 1966年に放送された「ウルトラマン」から、1年の時を経て誕生した「ウルトラセブン」。まずはどう進化したのかを藤津が問いかける。 「世界観や設定が強く固められていました」と答...
きどみ
2022.10.30
「シン・ウルトラマン」(樋口真嗣監督)のなかでもっとも印象に残ったのは、神永新二(斎藤工)とメフィラス(山本耕史)がブランコに乗りながら対話をするシーンである【図1】。 【図1】 ジャングルジムでもすべり台でもない 子ども向けの遊具と、2人の「外星人」(劇中では宇宙人のことをこう呼ぶ)が地球の命運について話し合うという状況のギャップが魅力的なシーンであり、このあとの居酒屋のシーンと合わせて少なからぬ観客の興味を集めているようだ。 筆者は、ここで選ばれた遊具がほかならぬブランコであることに注目したい。公園の遊具といえば、ジャングルジムやすべり台やシーソーなどもメジャーだが、こ...
伊藤弘了
2022.6.08
「ドライブ・マイ・カー」では内なる喪失感と向き合ったかと思えば、「シン・ウルトラマン」では日本を襲う怪獣ならぬ「禍威獣」と対決する。振り幅広く話題作に出演する西島秀俊。「シン・ウルトラマン」では、役も撮影現場も「初めての経験」だったという。 怪獣カードを集め、名前も体重も言えた 1971年生まれだが、ウルトラマンは子ども時代のヒーローだった。「再放送だったと思いますが、ウルトラマンもセブンも、全部見てました。怪獣カードを集めて、名前、身長、体重全部言えた」。樋口真嗣監督はじめスタッフにもウルトラマン世代がいっぱい。現場には幸福感が漂っていたとか。「子どもの頃にかっこいいと憧れ...
勝田友巳
2022.5.11
本作は、「ゴジラ」「ガメラ」「大魔神」シリーズをはじめ、数多くの怪獣造形を手掛けてきた村瀬継蔵が1970年代に香港のショウ・ブラザーズ社のプロデューサーに依頼され、書き留めたプロットを基に作られたオリジナルファンタジー作品。オリジナルコンセプトデザインを、東映特撮ヒーロー作品のキャラクターデザインだけでなく、深作欣二作品の美術デザインでも知られる高橋章。 怪獣ヤマタノオロチのデザインを、「ゴジラ」シリーズのデザイナー西川伸司が担当している。 時宮朱莉は、亡くなった祖父である特殊美術造形家・時宮健三のお別れの会で、特撮ファンである同級生の卓也と会い、2人は時宮の古い知り合いだという穂積と名乗る...
日本の特撮を見て育ったというエリック・マキーバー監督が、故郷であるオクラホマ州を舞台に日本特撮へのオマージュ満載で制作したファンタジー映画。日本カルチャー好きのオタクの主人公ショーンを演じるのは、、8歳の時に「ブライアン・シンガーのトリック・オア・トリート」で映画初主演したクイン・ロード。ショーンの親友ヴィクラムを演じるのは、人気ドラマシリーズ「LUCIFER/ルシファー」に出演していたローナック・ガンディー、日本からの留学生ミキをavex の5人組女性ボーカルグループ「ARA」のメンバーとして日本でデビューした経験を持つ比嘉クリスティーナが演じる。また、日本からは、釈由美子、岩松了がそれぞれ...
映画の制作現場と食の関わりを追ったドキュメンタリー。ロケバスに積んである朝食のポパイのおにぎりと、映画における制作部という、現場では大いなる雑用係の組み合わせの物語。 ⓒ ジャンゴフィルム. All Rights Reserved.
「スワロウテイル」(1996年)「リリイ・シュシュのすべて」(01年)を生み出した岩井俊二監督と、音楽を担当する小林武史のタッグによる新作は、〝唯一無二の歌声〟と実力派俳優たちが奏でる音楽映画。主人公の路上ミュージシャン、キリエを演じるのは、「BiSH」を経て現在はソロとして活動するアイナ・ジ・エンド。映画初主演となる本作のために6曲を制作し、その圧巻の歌声をスクリーン越しに響かせる。 さらに、次代を担う実力派俳優たちがアイナと共に〝運命の4人〟を演じる。姿を消したフィアンセを捜し続ける夏彦役を松村北斗(SixTONES)。傷ついた人々に寄り添う教師のフミ役は黒木華。過去と名前を捨て、キリエ...
八木景子監督が自費を投じて撮影、編集、監督をした捕鯨問題を扱った映画「ビハインド・ザ・コーヴ(Behind THE COVE)」は、2015年にモントリオール世界映画祭に選出されたほか、多くの映画祭で様々な賞を受賞。しかし、配給会社がつかず、自ら借金と寄付を募って配給まで行ったが、日本のドキュメンタリー映画としては異例のNetflixから世界配信され、大きな反響を呼んだ。 本作は、〝食〟としてのクジラと〝科学〟としてのクジラを語り尽くすドキュメンタリー。クジラ料理の魅力だけではなく、科学的な見地から「タンパク源」のバランス問題にも向き合う。現代の環境問題を起因とした自然資源のルールを決める国...
巨大不明生物「禍威獣」が次々と日本に現れた。政府は禍威獣特設対策室を設立し、各部門の専門家を集め対策を講じていた。ある時現れた銀色の巨人が、禍威獣を撃退する。巨人はウルトラマンと名付けられた。さらに別の宇宙人が禍特対の前に現れ、ウルトラマンは敵だと進言する。