チャートの裏側:「抽象的な一側面」ネック?
映画やジャズなどの評論で名を成した評論家、平岡正明氏の「ジャズ宣言」という書物に、こんな言葉がある。「感情を持つことは、つねに、絶対的に、ただしい」。「インサイド・ヘッド2」を見て、この言葉がよみがえった。本作が、このニュアンスに近い形で進むからである。 前作で幼い少女だったライリーが思春期を迎える。「ヨロコビ」「カナシミ」といった感情が、ライリーの日常と並行してビジュアル化された前作。今回は、思春期ゆえに感情の数も増える。なかで、存在感を示すのが「シンパイ」だ。「シンパイ」が思春期の象徴になる。 何種類もの感情のつばぜり合いが、アニメーションならではのファンタジー、異世界として描かれる。...