特選掘り出し!:「大きな家」 施設の子らの心の奥へ
東京都内のある児童養護施設で暮らす子どもたちや、施設を卒園して学生や社会人として生きる若者たちを丹念に追ったドキュメンタリー映画。俳優の斎藤工がプロデュースしている。 竹林亮監督は低い視点からのカメラワークで、一人一人の生活に密着し、彼らの言葉や生き様を映し出す。親との死別や親の病気、経済的事情、虐待など、さまざまな理由から施設で暮らす子どもたち。仲間同士で騒いだり、笑顔で施設を案内したりする姿は明るく見えるが、彼らにじっくり話を聞くと、心の奥がにじみ出てくる。 多くの子どもたちは、施設で共に暮らす仲間や職員との関係を<家族とは違う>と表現する。家族はあくまで別の所にいる。その思いが切なく...