特選掘り出し!:「HOW TO BLOW UP」 緊迫のエコテロリズム
近年、欧米各国では環境活動家の過激な行動が問題視されている。美術館の絵画にスープをかけるなどがその一例だが、人命に関わる危険な事件も起きている。筆者もそうしたエコテロリズムに眉をひそめる一人だが、本作の出来栄えには驚かされた。気候変動学者アンドレアス・マルムの挑発的な著作「パイプライン爆破法 燃える地球でいかに闘うか」に触発された米インディーズ映画だ。 地球環境の悪化に人生を狂わされ、危機感に駆られた若者8人が、誰も傷つけないことを前提に、テキサス州の石油パイプラインの爆破計画を実行しようとする。新鋭のダニエル・ゴールドハーバー監督は、登場人物たちの切迫した事情や犯行動機、思わぬ誤算に見舞わ...