この1本:「正体」 〝5役〟熱演、横浜流星
高校3年生で一家3人を惨殺し、未成年者犯罪厳罰化の流れの中で死刑判決を受けていた鏑木(横浜流星)が脱獄する。犯行現場で凶器を手にしたまま逮捕された上に、生存者の目撃証言もあり、有罪は疑いないと思われていた。事件を担当していた警視庁の又貫(山田孝之)が彼の行方を追うものの、鏑木は変装し仕事を替えて逃走し続ける。逃げる鏑木の生活と周辺の人たちとの関わり、追う又貫と関わった人たちの証言を交互に描くうちに、鏑木が逃走した目的が明らかになっていく。染井為人の同名小説を原作としたミステリー。 映画の見せ場の一つは、鏑木=横浜の変身ぶり。ほぼ1年に及ぶ逃亡生活の中で、獄中の死刑囚から土木作業員、フリーライ...