私と映画館:「小倉昭和館」へのスリリングな道のり
私の映画館デビューは3歳の時、映画好きの母に連れられて「蒲田行進曲」を見たそうだ。「 E.T. 」など洋画もたくさん見に行った。当時の記憶はあまりないが、映画好きになったのは、やはり幼い頃から映画館に親しんできたからだと思う。 高校の帰り道に一人でよく通ったのが1939年創業の「小倉昭和館」(北九州市)だ。JR小倉駅前の繁華街を抜けて旦過市場近くの映画館まで、10分ほどの道のりはどんな映画を見るよりスリリングだった。 私の高校は校則が厳しく、放課後に街中をふらついているところを見回りの教師に見つかると厳しいお説教が待っていた。街の人が「おたくの生徒が遊んでいる」と学校に〝通報〟するという、...