オンラインの森「ロスト・ドーター」 女性の罪の意識 サスペンスに
不吉な気配漂わせるニュアンスの表現 2021年のベネチア国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞し、全米賞レースでも存在感を放っているNetflixオリジナル映画「ロスト・ドーター」(2021年)は、「ダークナイト」(08年)、「クレイジー・ハート」(09年)などの出演作で知られる女優マギー・ギレンホールの長編監督デビュー作だ。今さら著名俳優が監督業に進出し、優秀なスタッフ&キャストのサポートを得てウェルメードな作品を撮ったとしても驚くべきことではないが、「ロスト・ドーター」の出来栄えは並外れている。イタリアの作家エレナ・フェッランテの同名小説を映画化した人間ドラマであり、見ようによっては実に恐ろ...
高橋諭治
2022.2.20