チャートの裏側:物語の展開の素晴らしさ
邦画娯楽大作の金字塔が生まれた。興行面でも、内容にふさわしい圧倒的な強さを見せたのがうれしい。「キングダム 大将軍の帰還」だ。4日間では興行収入22億円。邦画実写作品の歴代最高スタートである。紀元前の中国を舞台に、秦の国が他国とわたり合う様を描く。 本作の素晴らしさは、何と言っても話の展開のダイナミズムにある。前作で一段と存在感を増した大将軍・王騎(大沢たかお)を中心に、封印されていたかつての王の逸話、王騎の宿敵の登場、王騎を脅かす新たな強敵の出現。何層にも膨れ上がる話の畳み込みが圧巻であった。 このシリーズの本筋は、大将軍を夢見る主人公・信(山崎賢人)と、中華統一を目指す若き王(吉沢亮)...